小中学校や高校など教育現場での管理職に占める女性の割合が47都道府県全体で18%にとどまることが7日、文部科学省の2019年度学校基本調査から明らかになった。校長や教頭、副校長といった学校の女性管理職について政府は「20年に20%以上」とする目標を掲げているが、徳島など30道府県が達成していなかった。

 男性管理職を当然とする風潮や、子育てや介護を担うことの多い女性が負担の重さを理由に目指しにくいことが原因とみられる。専門家は「未来を担う子どもたちが男女平等の意識を持つためにも、学校における女性リーダーの存在は不可欠だ」と指摘する。

 共同通信が学校基本調査を基に、国公私立の小中学校、高校、特別支援学校など初等中等教育機関の管理職に占める女性割合を47都道府県ごとに算定した。

 教諭など管理職以外も含む全教員数は99万6457人で、女性は50万1635人(50・3%)と半数を占めた。うち管理職7万4656人をみると、女性は18・1%に当たる1万3533人。役職別では、女性の校長は15・4%の5247人、副校長は20・7%の999人、教頭は20・4%の7287人だった。

 政府が15年に定めた第4次男女共同参画基本計画では、初等中等教育機関の管理職の女性割合を「20年に20%以上」と設定。19年5月の調査時点で超えていたのは、17都府県だった。最も高いのは神奈川30・0%で、石川29・7%、広島29・6%と続く。徳島は15・3%。最も低いのは9・0%の宮崎と長崎。

 長崎県教育委員会は19年度から小中学校の管理職登用試験合格者に対し、家庭の事情に応じ、管理職となる時期を調整できるなど制度を変更。教頭を志願する女性が増えた。

 識者談話 山形大・河野銀子教授(徳島市出身)
 「良い先生」像を見直す時期

 教員の男女比はほぼ半々だが、男女平等は進んでいない。学校の女性管理職割合の変化を分析すると、1999年に男女共同参画社会基本法が施行されても顕著な伸びはなかった。女性登用に積極的に取り組むべき時期に、十分な施策をしてこなかったと言わざるを得ない。

 学校現場では長らく長時間働き、休日も練習のある部活動の顧問を担える教員が「良い先生」とされてきた。産休育休によるブランクがあり、子育てで制約を受けやすい女性がリーダーとなるのは難しく、登用が進まない要因となっている。

 しかし、管理職が男性に偏ることは子どもたちへの影響が大きいということを意識すべきだ。身近な大人の姿を見て、子どもは学ぶ。

 暗黙のうちに、つくられてきた「良い先生」像を教員自身が見直すべき時期にきている。同時に各教育委員会は育成側の管理職の意識改革の他、研修の受講機会、年齢や経験年数といった管理職試験の要件などに女性が不利となる項目がないかをチェックする必要がある。多様な人材を登用できるよう制度を整えるべきだ。

 かわの・ぎんこ 1966年生まれ。徳島市出身。専門は教育社会学。現職は山形大学術研究院教授。編著に「女性校長はなぜ増えないのか」。内閣府の第5次男女共同参画基本計画策定に関するワーキンググループメンバーを務める。(共同)