徳島県内の自治体の3分の2に当たる16市町村に、防災・危機管理を担当する女性職員がいないことが、徳島新聞が8日の「国際女性デー」に合わせて実施したアンケートで分かった。女性職員がいる8市町も1人ずつで、24市町村に占める女性の割合は6・7%だった。発生から9年を迎える東日本大震災では、避難所での性被害など女性が苦難を強いられたと報告されており、防災分野での女性参画は不可欠となっている。

 防災・危機管理担当に女性の正規職員がいるとしたのは、鳴門、三好、上勝、石井、海陽、北島、板野、つるぎの8市町。徳島市には12人、阿南市には7人の防災担当者がいるものの、女性はゼロ。県内全体の担当職員119人のうち、女性はわずか8人だった。

 防災担当部署で女性管理職がいるのは三好市と上勝、板野両町のみ。ただ三好市は防災業務を兼ねる支所長、上勝町と板野町は防災を管轄する総務課長と答え、専門部署の管理職ではなかった。

 県も女性参画が十分進んでおらず、出先機関を含めた防災担当の正規職員86人のうち女性は13人で、15・1%にとどまる。関係者は「非常時の待機もあり、長時間労働になりがちな防災部署に女性は起用しにくい」と説明する。

 東日本大震災では▽被災者ケアの担当職員が女性に偏った▽同性のリーダーがおらず被災女性のニーズがくみ上げられなかった▽防犯対策が不十分な避難所で性暴力があった―などが報告され、専門家からは女性の視点に立った防災計画の必要性が指摘された。

 静岡大の池田恵子教授は「増員の努力をするとともに、今いる人材を最大限に生かす工夫が必要だ。庁舎内で横断的に女性の組織をつくるなど、防災部署の女性職員を支援し、発言力を高める取り組みが求められる」と話した。

 東日本大震災の性暴力 米ミシガン大の吉浜美恵子教授ら専門家の協力を得て、東日本大震災女性支援ネットワーク(2014年解散)が、災害・復興時の女性と子どもへの暴力について調査。82件の事例が寄せられ、うちドメスティックバイオレンス(DV)が45件だった。DVのほかは「同意のない性交の強要」10件、「わいせつ行為・性的嫌がらせ」19件など。