プライバシーが守られない避難所での性被害や性別役割分担の固定化、女性特有の物資不足―。発生から9年を迎える東日本大震災では、女性を取り巻くさまざまな課題が明らかになった。徳島新聞が8日の「国際女性デー」に合わせて実施した県内24市町村のアンケートでは、各分野で対策が進みつつあることが分かった。

性暴力対策は3割未満

 アンケートでは、各市町村の地域防災計画や避難所運営マニュアルに、主に女性を巡る問題を解消する理念や具体策を盛り込んでいるかを尋ねた。「プライバシーの確保」については、那賀町を除く23市町村が明記していると回答。「室内用テントを100基備えている」(佐那河内村)との対策を講じているところもあった。

 東日本大震災では女性の防災リーダーが少なく、避難生活の中で女性のニーズが届きにくかった。これを受け松茂町以外の全ての市町村は「避難所運営での女性の参画」を目標に掲げていた。阿南市は具体策として「運営関係者の3割を女性にする」とした。「妊産婦への配慮」を記載しているのは17市町村で70・8%だった。

 一方、「性暴力、セクハラ防止対策」を盛り込んでいるのは勝浦、上勝両町や徳島市など7市町村で3割に満たなかった。避難所での炊き出しや清掃業務などが女性に偏ると問題視される中、「性別にこだわらないケア労働の分担」を定めたのも7市町のみ。「LGBTへの配慮」を記載したのは徳島市だけだった。
 備蓄品については、75%に当たる18市町村が生理用品を用意し、板野町は「各地の防災倉庫にも配備している」とした。プライバシー確保に欠かせない間仕切りは19市町村が備蓄している。

 乳児を連れた人に配る「粉ミルク」は20市町村、2019年に国内で販売が始まった「液体ミルク」も8市町が備える。小松島市とつるぎ町は女性や子どもの安全を守る「防犯ブザー」を備蓄している。

防災委員の女性登用 7市町村でゼロ

 アンケートでは、各市町村の防災計画や防災政策を審議する防災委員に占める女性の人数も尋ねた。

 女性委員がゼロだったのは小松島、上勝、佐那河内、神山、那賀、上板、つるぎの7市町村。吉野川市、三好市など4市町は1人だった。女性の比率が最も高かったのは阿南市の19・4%で、31人中6人だった。24市町村全体をみると、委員575人のうち女性は47人で8・2%となっている。

 災害発生時に避難所運営などを担う自主防災組織についても調査した。県内2868団体のうち、女性が代表を務めているのは185団体と6・5%にとどまった。

 地域の防災分野で女性の参画がなかなか進まない一方で、県は防災委員の女性登用を意識的に進めている。2019年は81人中、48・1%の39人が女性で、比率は都道府県でトップだった。