寺井正邇さん

 新型コロナウイルス感染症の広がりをいかに食い止め、徳島の経済や県民の暮らしを守るか。深刻な影響が日々、色濃くなる中、議長に就いた。国や県に地方の現状を届ける上で、県議会の役割は大きい。「喫緊の課題に皆さんの知恵を借りて対応していきたい。自分の役目を果たすことが、自分を押し上げてくれた周囲への恩返しになる」と思いを語る。

 阿波市土成町で祖父の代から続く葉タバコ農家に生まれた。県農業会議や全国たばこ耕作組合中央会の会長を務め、農業全般に精通する。

 旧土成町長だった祖父や父が農政を積極的に推進する姿を身近に見てきた。それだけに2007年4月の県議初当選以降、県産農産物の品種改良など、県内農業のブランド力強化に特に意を用いてきた。

 人口減少に加え、貿易自由化の流れなど農業を取り巻く環境は変化しており、「農産物が(貿易交渉の)犠牲になっている」と憂う。地元の阿波市でも後継者不足や耕作放棄地などの問題が深刻で、「何とか若い人を応援したい」と意気込む。

 県議会では最大会派の県議会自民党に所属するが、議会運営は「公平公正」を強調する。「さまざまな意見を真摯に受け止め、声を拾い上げていきたい」と各方面に耳を傾ける考えだ。

 時間があれば映画館に足を運ぶ。「映画の世界に刺激を受ける」と、SFから農家を題材にした作品まで幅広く好む。「最近は涙もろくなって、人情に訴えられるとほろりとしてしまう」と笑う。長男夫婦と孫娘、妻の5人暮らし。72歳。