小説「黒潮の碑文」の資料を集めた企画展=牟岐町川長の町立図書館

 牟岐町の漁業振興に尽力した故・大平正敏さん(1898~1961年)を描いた小説「黒潮の碑文」を紹介する企画展が、町立図書館(川長)で開かれている。大平さんの功績や作品について知ってもらおうと、住民有志でつくる「黒潮の碑文を楽しむ会」が企画した。31日まで。

 大平さんは戦前、鮮魚商として全国で活動するとともに、最先端の技術を駆使して漁業の近代化を図った。戦後は町長や牟岐東漁協組合長として漁業再興に努めた。

 「黒潮の碑文」は大平さんがモデルのフィクション。映画「黒部の太陽」の原作者で、町出身の作家木本正次さんが執筆した。1976年に徳島新聞夕刊で連載した小説「日本暖流県南『まぐろ王』の生涯」を改題して出版した。

 企画展では小説の掲載紙面をはじめ、物語の舞台となった大正~昭和初期の町内の写真、大平さんの船で使われた大漁旗など約50点を展示している。木本さんの作家活動を紹介する年表や著作10点も並べた。

 楽しむ会は昨年8月に発足した。会員16人が月1回、大平さんの顕彰碑(牟岐浦)の美化活動のほか、小説の読書会を開催。作品の映像化を実現させようと、テレビ局への働き掛けも検討している。

 柿内久弥会長(63)=牟岐浦、団体職員=は「大平さんの功績を伝え、町をPRしたい」と話している。