野口幸司さん

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う臨時休校が始まって、10日が過ぎた。事態の終息が見通せない中、子どもを自宅でどう生活させるか、悩む保護者は多い。徳島新聞NIEコーディネーターで元上浦小校長の野口幸司さん(61)に、有意義に過ごすためのポイントを聞いた。2回に分けて紹介する。

 ―大半の学校は休校中、児童生徒が基本的に自宅で過ごすよう、文部科学省から指導されている。

 ずっと家でいると、生活にめりはりをつけるのが難しい。子どもだけで留守番をするケースは特に、ゲームやテレビに熱中してしまう。体を動かす機会が減り、ストレスをためやすい。

 ―家庭では生活リズムを崩しやすい。どうすればいいか。

 学校では日課表や時間割に従って規則正しく生活しているため、一定のリズムが保たれる。さらに休み時間の遊びにも大きな働きがある。運動場で遊んだり本を読んだり友達としゃべったりして気分転換が図られ、いいリズムが生まれる。家庭でも遊びをうまく取り入れれば、生活リズムの乱れを防げる。

 ―どんな遊びが効果的か。

 屋外に遊び場所がない県内の放課後児童クラブ(学童保育)は、子ども同士がささいなことで口げんかをするようになった。このため、室内でも体を動かす遊びを取り入れた。かくれんぼやすごろくのほか、台の代わりに机を並べて卓球を楽しんでいる。

 普段は禁止しているカードゲームも、手作りしたカードで遊ぶのを条件に許可したという。絵を描いたり紙を切ったりして手先を使うことは、体を動かすのに匹敵するほどのストレス発散法になる。

 この学童保育では、かくれんぼの際に大声を出す。声を出すと無意識のうちにストレスを発散できる。家でも音読したり歌を歌ったりし、できるだけ声を出すよう心掛けたい。

 ―徳島中央公園(徳島市)では平日の昼間、親が子どもを連れて散歩する光景が見られた。外出してもいいのか。

 散歩やジョギングはウイルス感染のリスクが低い活動とされる。安全な場所であれば、気分転換に出掛けても構わない。そうすれば、ゲームやテレビからも脱却しやすい。

 小学校に隣接するある学童保育は特別に許可をもらい、時間を決め運動場で遊ばせている。屋外で体を動かして息抜きする時間を設ければ、子どもの精神的な安定が得られる。

 のぐち・こうじ 1959年、旧木屋平村(現美馬市)生まれ。徳島大教育学部卒、鳴門教育大大学院学校教育研究科修了。2019年まで38年間、小学校教諭を務めた。前県小学校教育研究会国語部会会長。吉野川市在住。