新型コロナウイルスの感染拡大を受け、卒業式を中止・縮小する学校が相次いでいます。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」は「#みんなの卒業式」プロジェクトと題して、皆さんが卒業式で伝えたかった、友だちや先生、家族への思い、卒業生へのエールなどを募集しています。これまでに寄せられたメッセージの一部を紹介します。
できなくなるなんて 言葉になりません
卒業おめでとうございます。毎年、当たり前に行われていたことができなくなるなんて誰も思いませんでしたね。そんな年に卒業を迎えるなんて言葉になりません。
2月末からの一連の騒動で、皆さんは当たり前の場所を、学ぶ場所を、友達との時間を失いました。世間では政府への不満や感染者の情報、買い占めなどの動きが報道され、多くの人が持論を述べ、多くの人が苦境に立たされ、多くの人が決断を迫られています。先が見えない不安に世界が混乱しています。
これから新しい道へ進む皆さんに、今だからこそ考えてほしい。「政治に参加する」ということを。政府の対応への不満があちこちで聞かれますが、代表者を選んだのは私たち国民です。
皆さんにはしっかりと自分の考えを持ち、選挙というカタチで政治に意見を伝えてください。誰もが幸せに暮らせる世の中を、日本をつくっていきましょう。私たち大人も共に考えていきたいと思います。(徳島市、男性教員、35歳)
出会いや人とのつながりを大切に
卒業生としても在校生としても、今回ほど寂しい卒業式はありません。新たな出会いや人とのつながりを大切にしてほしいと思います。 (鳴門市、パート従業員女性、46歳)
卒業式縮小の発表があった時、泣いている生徒もいたそうです。自分の卒業式を振り返っても、先生や友達と思い出を語りながらじっくりと別れを惜しみ、それぞれの新たな出発に向けて希望と期待に胸を膨らませ、感動を分かち合ったものです。
子どもたちにとって心に残る式に
子どもたちの残念な気持ちはよく分かります。しかし、今は世界的な非常事態で、やむを得ません。娘も理解しています。受験勉強の合間に先生への感謝の手紙や、後輩へのメッセージカードを準備していました。縮小とはいえ、卒業式ができることをありがたく思い、子どもたちにとって心に残る式になるよう見守ります。(三好市、女性会社員、51歳)
孫の卒業式がありました。縮小され、家族の出席は1人とのことでした。「大好きな祖母が式に来てくれなかった」と孫が泣いていました。在校生の出席もなく、寂しい式だったそうです。本当は派手やかな式になるはずなのに、孫がかわいそうでなりません。 (阿南市、無職男性、70歳)
卒業式を縮小します―。学校でそう聞かされたときは実感が湧きませんでした。でも、日がたつにつれて寂しさがこみ上げてきます。指導してくれた先生方や、毎日毎日くだらないことで笑い合った同級生、付いてきてくれた後輩・・・。たくさんの人に支えられた中学3年間の締めくくりがこうなってしまうのは残念です。感謝の気持ちを目いっぱい伝えたいです。 (三好市、女子中学生)
卒業式が中止または縮小された皆さんには「『歴史の現場の証人』との自負を持って」と言いたいです。将来、今回の出来事をリアルに語れるのは自分たちしかいないと考え、できることに取り組んでもらいたいです。 (吉野川市、主婦、64歳)
この経験を誇らしく話せるように
臨時休校により、卒業までの貴重な時間をいきなり奪われ、寂しくつらい日々かと思います。つらく悲しく寂しい思い出とともに、どうやって乗り越え、その後をどう生きたか、強く記憶されることでしょう。「よりによってこの時期に」と思うかもしれません。しかし、得難い経験です。将来、あなたたちの子どもの卒業式に、この経験を誇らしく話せるように精いっぱい頑張ってください。 (徳島市、無職男性、70歳)
長女が高校を卒業しました。卒業式はどうなるのかと心配しました。在校生は参加せず、保護者は最低限の数とのことだったので夫が出席しました。思い出に残る式だったと思います。こんな状況の時に受験生として頑張ったことは将来、決して無駄にならないでしょう。この思い出を忘れず、社会に出ても精いっぱい頑張ってほしいです。(徳島市、パート女性、45歳)
この現実も思い出と捉えて、先の光に向かって進んでほしい。 (男性美容師、61歳)
「こんなこともあったよね」と、みんなで話せる日が来るのを楽しみに、これからも自分の夢に向かって頑張ってください。 (徳島市、女子大学生)
小学校卒業時は父が亡くなってすぐで、あまり記憶がありません。中学校卒業時は母が着物で来てくれました。高校のときは皆で思い出話をして泣いたり笑ったり。大学のときは、県外の友ともう会えないという思いが強く、悲しかった。
「ありがとう」の気持ちは伝えられます
長い人生いろいろあります。とにかく身を守ることが最優先。どこからでも「ありがとう」の気持ちは伝えられます。「ありがとう」は伝えてください。 (阿南市、農業女性、61歳)
徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」は、メッセージを募集しています。徳島新聞ウェブまたは公式LINE(ライン)にお寄せください。紙面やウェブで紹介します。
「#みんなの卒業式」プロジェクトは、徳島新聞、北海道新聞、東奥日報、岩手日報、東京新聞、新潟日報、岐阜新聞、京都新聞、中国新聞、西日本新聞の共同企画として展開しています。