増水した穴吹川に取り残された釣り人(左)を救助する消防隊員=午前9時45分ごろ、美馬市穴吹町

 1日の徳島県内は未明から朝にかけて、県南部を中心に大雨となった。梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込んだためで、気象レーダーの解析では那賀町付近で午前4時半までの1時間に約90ミリの猛烈な雨が降り、同町など5市町に一時大雨洪水警報が出された。

 県の雨量計では、午前4時までの1時間に那賀町岩倉で51ミリ、同5時までの1時間に同町小浜と美波町赤松でそれぞれ41ミリの雨を観測した。

 降り始めから午前8時までの総雨量は那賀町木頭で187・5ミリ、海陽町97・5ミリ、上勝町福原旭97ミリなどとなっている。

 徳島地方気象台は三好、那賀、勝浦、上勝、東みよしの5市町に大雨洪水警報、つるぎ、海陽両町に大雨警報、吉野川、阿南両市に洪水警報を発令したが、午前10時半までに全て解除された。

 那賀町の国道193、195号の計3カ所で一時通行止めとなった。

 JR土讃線の一部区間では、列車の運転を始発から見合わせたが午前7時13分に運転を再開した。特急、普通合わせて上下8本が運休または部分運休し、約630人に影響が出た。

 ◆穴吹川中州に釣り人孤立 1時間20分後に救助

 1日午前8時20分ごろ、美馬市穴吹町口山の穴吹川でアユ釣りをしていたつるぎ町貞光の男性会社員(54)が、増水した川の中州に取り残された。約1時間20分後に県の消防防災ヘリコプターで救助され同市の病院に搬送された。男性にけがはなかった。

 美馬署によると、男性は午前8時5分ごろから1人で川に入って釣りの準備をしていた。急に水かさが増してきたため中州にある岩場に避難したが身動きが取れなくなった。知人の男性に電話で助けを求め、知人が110番した。男性は「鉄砲水だった」と話しているという。

 現場は川幅約30メートル。住民によると、通常の水深は膝の高さ程度でアユ釣りのポイントになっている。