ひどい震えと手先のしびれ​

 【質問】82歳女性です。重度うつ病で10年前から入退院を繰り返しています。ひどい震えが出て病院で検査を受け、パーキンソン病との診断でした。いろんな症状があるものの、特に気になるのが震えと手先のしびれ、指が冷たくなり白く変色することです。近年はパーキンソン病に効果のある薬が開発され、完治できるかもしれないと聞きました。パーキンソン病の主な症状と注意点を教えてください。

 積極的な運動心掛けて

 【答え】近藤彰・近藤内科病院理事長

 まず質問の症状を説明します。ひどい震えはパーキンソン病に特徴的な症状です。また手先のしびれや手指が冷たくなるのも部分症状と思われます。

 高齢化社会になり、パーキンソン病は増えています。神経性変性疾患ではアルツハイマー病に次いで2番目に頻度の多い疾患。わが国での患者数は10万人当たり100~150人とされています。

 原因は中脳の黒質にあるドーパミン産生細胞が減少し、神経伝達物質ドーパミンが減ることで発病します。なぜドーパミン産生細胞が減少するかは分かっていません。

 パーキンソン病の症状は大別して運動症状と非運動症状があります。運動症状は<1>安静時の震え、じっとしている時に手指が震える<2>筋肉が固くなり、スムーズに動きにくい<3>素早く動けない。歩き始めに足が踏み出せない<4>バランスが取りにくく転倒しやすい―など。非運動症状は<1>自律神経障害として便秘・立ちくらみ・発汗<2>認知機能障害<3>嗅覚の異常<4>睡眠障害<5>精神障害として、うつや幻覚、錯覚、妄想―などです。

 パーキンソン病を確実に診断する検査法がないためいろんな症状の有無が重要です。パーキンソン病の診断は運動症状と共に特徴的な非運動症状を手掛かりにし、総合的に診断します。

 主治医に心配な症状を詳しく伝えることが的確な診断につながり、最適な治療を受けられます。

 薬剤は脳内で情報を伝えるドーパミンを補充するLドパ製剤とドーパミン受容体作動薬を中心に症状に応じて複合的に処方します。

 薬以外の治療では、運動することが重要です。病気に負けないで歩く運動やリハビリなどに取り組み、積極的に出掛けてください。

 近年の医療の進歩は著しいです。それでも今のところ、パーキンソン病は完治するわけではありません。

 京都大の山中伸弥教授が開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)によるドーパミン産生細胞移植の臨床試験の進展と、再生医療の日常診療導入に期待が寄せられています。