新型ウイルスの感染が拡大した事例としては、2009年に全国で猛威を振るった新型インフルエンザが記憶に新しい。徳島県内ではワクチンが不足し、店頭からマスクがなくなるなど、県民生活は混乱。県などが対策に追われた。

 09年4月、人から人へ感染する豚インフルエンザが米国で確認され、世界保健機関(WHO)が新型インフルと認定。県は同月、相談窓口を設けた。

 6月3日、県内の20代女性の感染が四国で初めて確認された。県は対策会議で発症前後の接触者への聞き取りを決めた。会見では「県内で感染拡大の恐れはない」と説明し、県民に冷静な対応を呼び掛けた。

 その後、感染例が相次ぎ、県は8月20日に「本格流行」を宣言。ドラッグストアに客が殺到し、マスクが品不足となった。

 10月ごろから学級閉鎖が増え始め、感染が急速に拡大。優先順位が高い医療従事者を対象にワクチン接種が始まった。しかし県内配分量は希望者の半分以下だった。11月に妊婦と基礎疾患(持病)のある患者も対象となったが、ワクチン不足は変わらず、医療機関や患者らから不満の声が上がった。

 県は同月、関係機関の情報共有やワクチンの円滑な流通の確保などを明記した行動計画を策定。重症化するリスクが高い1歳~小学3年までの子どもと妊婦を対象に接種費用の一部助成を決め、市町村も追随した。