1件目の火災現場で消火に当たる消防隊員ら=11日午前9時20分、阿波市阿波町桜ノ岡

 11日朝、阿波市阿波町で不審火とみられる山林火災が約1時間半の間に2件発生した。二つの現場は徳島自動車道沿いを東西に走る広域農道付近で、約3・3キロ離れている。けが人はいなかったが、いずれも火の気がない場所から出火しており、県警は2件の関連性や出火原因を調べている。


 午前10時ごろには、周辺を警戒していた県警ヘリが同市阿波町井出口の「貴布祢(きふね)神社」南側の山中から火の手が上がっているのを見つけた。下草など約600平方メートルを焼き、約45分後に消えた。 阿波吉野川署や徳島中央広域連合消防本部によると、11日午前8時半ごろ、同市阿波町桜ノ岡の「土柱そよ風広場」北側の山中から出火。約1050平方メートルを焼き、2時間後に鎮火した。現場の焼け跡は3カ所あった。

 両現場とも、広域農道から200~400メートル入った道路沿いの雑木や下草が燃えていた。昼夜とも人通りは少ない。消防関係者は「火の気が全くなく、失火の可能性は考えにくい」と話した。

 発生時間や現場の状況から県警は2件の火災に何らかの関連があるとみて、不審者の目撃情報がないかなど近隣住民への聞き込みを進めている。

 阿波、吉野川両市では8日未明、約1時間の間に倉庫や住宅計4棟を全焼する不審火が3件発生しており、署と消防本部などが警戒を強めている。