上板町は江戸時代から砂糖の産地として知られ、阿波和三盆糖は高級和菓子に欠かせないブランドを確立しています。砂糖が縁となり、上板町が沖縄県石垣市と「ゆかりのまち」提携に調印して、今年10月で20年となります。

 きっかけは、上板町出身の製糖家で元代議士の中川虎之助(1859~1926年)。大正期に大鳴門橋架橋を提唱した人物です。国内製糖業の振興に情熱を燃やし、明治中期の1890年代初め、徳島の農民らとともに石垣島に入植し、近代的な製糖業を持ち込みました。

 連載では、挫折を繰り返しながら夢を追い続けた虎之助の足跡や、石垣島に住み着いた県人の家族の苦労、歴史の中で技術が培われた阿波和三盆糖の可能性などをつづります。

 上板町と石垣市の交流を仲介したのは、太平洋戦争中に石垣島に配属された徳島の元陸軍兵士でした。戦後75年を迎え、石垣島での戦争の被害なども取り上げます。埋もれていた史実を掘り下げ、砂糖で結ばれた交流の未来を探ります。