徳島県内のハローワークを通じた2016年度の障害者の就職率は71・0%で、前年度を8・2ポイント上回り、全国で2番目に高かったことが徳島労働局のまとめで分かった。就職者数は6・4%増加し、過去最多の618人に上った。18年度から民間企業の雇用義務の対象に加わる精神障害者の伸びが目立っている。

 労働局によると、16年度の新規求職者は前年度比5・8%減の870人。就職率は過去5年間では14年度の71・5%に次いで高く、全国平均48・6%を大きく上回った。全国トップは富山県の71・9%だった。

 就職者のうち、精神障害者は234人(前年度比25・8%増)と最も多く、知的障害者が194人(1・6%増)、身体障害者は161人(16・1%減)、発達障害者や高次脳機能障害者らが29人(141・7%増)だった。

 産業別の就職先は、医療・福祉227人、製造業108人、卸売・小売業64人、サービス業57人など。職種別では、運搬・清掃が全体の36%を占め、事務19%、生産工程13%と続いた。

 従業員50人以上の企業の障害者雇用率は2・09%(16年6月1日時点)。全国平均1・92%より高く、法定雇用率2%を上回っている。

 労働局は「毎年9月に徳島市で開く障害者就職面接会の参加企業が14~16年は40社を超えるなど、関係機関による雇用促進の成果」とみる。

 スタッフ420人のうち障害者10人を雇用しているスーパー「デイリーマート」(本部・美馬市脇町)の採用担当者は「適性はあるが、障害者は作業効率や集中力の面で健常者より優れていることも多く、十分な戦力と考えている。今は彼らが働きやすい職場環境をいかに作るかを考えている」と話した。