放流するために谷﨑さんが人工ふ化させたオヤニラミの稚魚=阿南市新野町馬場

 希少淡水魚・オヤニラミの保護活動に取り組む阿南市の住民グループ「オヤニラミの会」が本年度から、那賀町中山の中山川で稚魚の放流を本格化させる。昨年度自然繁殖したとみられる稚魚2匹が支流で確認されたことを受け、生息数を増やすのが狙い。中山川では約35年前に姿を消しており、生息地としての復活を目指す。9日、中山川の上流で地元の子どもたちと共に稚魚を放つ。

 オヤニラミは県のレッドリストで絶滅危惧IA類に指定されているスズキ目ケツギョ科の淡水魚。かつては中山川にも生息していたが、水質悪化などの影響で約35年前から確認されなくなっていた。

 同会は2010年7月と8月に1回ずつ生息状況を調査したものの、見つからなかった。生息地の復活に向けて、同会の谷﨑憲佑代表(75)=阿南市新野町馬場、ガソリンスタンド経営=が人工ふ化させた個体を放流。11年7月には稚魚約30匹、13年7月には成魚5匹を放った。

 16年7月に中山川と周辺の支流を調査したところ、稚魚2匹を確認した。オヤニラミが繁殖できるきれいな川の状態になっていると判断し、本格的な放流活動を始めることにした。

 9日は、人工ふ化させた稚魚50匹を用意する。生息範囲を広げるため、16年7月に稚魚が確認された場所よりも、約500メートル上流の3カ所に放つ。今後は毎年7月に放流していく。

 オヤニラミは県内では阿南市の桑野川、福井川、椿川で生息が確認されている。谷﨑代表は「中山川でのこれまでの活動がようやく軌道に乗ってきた。たくさんのオヤニラミが元気に泳ぐ川にしたい」と話した。