市営グラウンドの都市公園再整備事業で取り壊されることになった金長大明神=小松島市中田町脇谷

 小松島市のシンボル・金長だぬきを祭る金長大明神(通称・金長神社、同市中田町脇谷)が、存続の危機にある。社殿がある市営グラウンドが都市公園に整備されるのに伴い、取り壊されることになったため。社殿は、金長だぬきを題材にした映画や漫画に登場し、貴重な観光地の一つ。関係者は「移築か再建を」と存続を訴えている。

 市営グラウンド(約3・3ヘクタール)は金長大明神のほか、野球場とテニスコート5面、緑地などを備え、毎年5月には「金長まつり」が開かれている。市はこの土地を地権者から買い取り、2022年度までに大型ヘリコプターが発着できる多目的運動広場や高台、芝生広場などを整備する方針。金長大明神がある場所は駐車場になる。

 市まちづくり推進課によると、都市公園法で設置が認められている施設に神社は含まれていなかったため、「取り壊さざるを得ないと判断した」という。

 金長大明神は、映画「阿波狸(たぬき)合戦」(1939年)が大ヒットした大映の永田雅一社長が56年、金長だぬきの御利益に報いるため地元商工業者と協力して現在地に社殿を建立。以来、住民有志でつくる「金長奉賛会」が管理しているが、建立から60年以上たち、雨漏りなどの老朽化が目立っている。

 金長大明神は、スタジオジブリ制作のアニメ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」(94年)や、漫画雑誌に連載された水瀬マユ「姫さま狸の恋算用」(2013~16年)などに登場し、ファンの間では「聖地」として知られる。市観光ボランティアガイド協力会の岡久正理事長(78)=同市小松島町今開=は「貴重な小松島の観光名所が減るのは寂しい。現在地に建て替えるか、移転するかして残さなければ」と訴える。

 市の内藤雅人産業建設部長は、社殿取り壊しは避けられないとする一方、「金長大明神は大切な観光施設と認識している」と強調。「奉賛会や地元の方の意見を聞きながら、どういう形で金長大明神を残せるか方向性を探りたい」と話した。