ふるさと納税の仲介サイトに掲載されている那賀町の返礼品。写真は町外産の牛肉だけだ

 那賀町のふるさと納税の返礼品に町外産の牛肉や豚肉などが含まれており、住民から「ふるさと納税の趣旨から外れているのでは」などと批判の声が上がっている。特産の木頭ゆずを使った調味料とセットにした返礼品だが、ふるさと納税の仲介サイトには肉だけの写真が掲載されている。町は「総務省が通知した見直すべき返礼品には当たらない」としているが、今後、難しい対応を迫られそうだ。

 町は、4月末まで担当課がメールや電話でふるさと納税の申し込みを受け付けていたが、特産物をPRするために仲介サイトの利用を5月から始めた。同時に返礼品の拡充も進め、木頭ゆずの調味料と牛肉、豚肉、ラーメンがそれぞれセットになった品目を加えた。

 牛肉や豚肉のセットは、1万円以上の寄付で受け取れる。しかし、サイトには肉だけの写真が掲載されているため、「肉がメインだと捉えられるのでは」「調味料を宣伝するなら、別の方法ですればいい」といった指摘が相次いだ。

 町の担当者は「町産の調味料のおいしい食べ方を提案している」としつつも、「批判は想定していた。ただ、自治体間の競争が激しくなっており、申し込みを集めやすい商品を使わざるを得ない」と苦肉の策だったことを打ち明ける。

 批判の一方で「現状は、ふるさと納税の制度自体が過度の返礼品などで本来の趣旨を逸脱してしまっている。きれい事を言っても仕方がない」と、町を擁護する意見もある。

 町の返礼品は6月末時点で53品目。仲介サイトで受け付けを始める直前の4月末時点の16品目から大幅に増やし、本年度中に200品目に広げる予定だ。寄付の件数と金額は昨年度1年間で55件156万円だったが、本年度は5、6月の2カ月間だけで73件220万円に上っている。

 返礼品を巡っては、総務省が4月、調達費用を寄付額の3割以下とする目安を設定したり、転売しやすい家電や家具などは贈らないよう求める通知を出したりした。

 町は「総務省の通知では、不適切とされていないので大丈夫だと思っていたが、住民の意見を踏まえて変更も視野に考えたい」としている。

 総務省は「個々の返礼品に対して、適切か不適切の判断はしていない。通知した内容を踏まえて、各自治体で判断してもらっている」としている。