鮎喰川橋梁と弁天橋(潜水橋)が並ぶ。川の多い徳島らしい光景=徳島市北矢三町2

 徳島市北矢三町と不動東町付近は北から吉野川、飯尾川、鮎喰川と三つの川が並ぶ場所だ。それぞれに橋が架けられ、JR高徳線が通る鉄橋もある。

 鉄道橋の高徳線・鮎喰川橋梁は、1935年3月に造られた。徳島県初の鉄道「徳島鉄道」開通から36年後のことだ。川幅の広い吉野川に架けられた吉野川橋梁と同時に工事が進められ、飯尾川、鮎喰川と連続する鉄橋の一つとして完成した。これで徳島―高松間が全通した。

 明治、大正期に開通した他の路線の橋桁は、英国や米国製の輸入品。一方、鮎喰川橋梁は昭和になってから造られたので、全て国産品だ。橋桁には国内メーカーの製造銘板が誇らしげに付けられており、国内の鉄道や橋を整備する技術の進歩を感じさせる。

 鉄橋に並行する弁天橋は、洪水時に川に沈む潜水橋で、県外の人には珍しく映るようだ。低予算で架けることができ、戦後間もない50~60年代には県内各地で造られた。各地の潜水橋は抜水橋に架け替えが進むものの、弁天橋は今も現役の一つである。

 ここへ来ると川と橋の歴史を感じる。満潮の時間に合わせ、水面の向こう側に二つの橋が並び、鉄橋が青空に抜けて重なるよう撮影した。