徳島県は11日、環境保全や労働環境に配慮した農産物の生産拡大に向け、農家らを会員とする学び・交流の場「とくしまエシカル(倫理的・道徳的)農産物生産流通研究会」を発足させた。農家らが最新の流通や消費動向に関する知識を深めたり、生産技術の情報交換をしたりする場として活用してもらう。
農家や流通業者らが対象で▽9月下旬に農業の販売・流通に関する研修会▽10月12~14日にアスティとくしまで開かれる「徳島ビジネスチャレンジメッセ」に研究会の販売ブース設置▽来年3月下旬に研究会員の交流会―などを予定している。
東京五輪・パラリンピックの食材調達基準に、安全性に関する生産工程管理「GAP(ギャップ)」の認証が条件となるなど、環境面での取り組みが重要視されつつある国内外の動向に対応した。
県もうかるブランド課は▽生産工程で環境保全や労働安全の確保に取り組む「GAP」▽農薬や化学肥料を使わない「有機JAS」▽農薬と化学肥料を慣行栽培より20%以上減らす「エコファーマー」―などをエシカル農産物として位置付け、生産者増加を目指す。
この日は、全国の料理や食材をブログなどで紹介しているジャーナリストの山本謙治氏が徳島市の徳島グランヴィリオホテルで記念講演。「東京五輪・パラリンピックに向け、日本で食のエシカル消費が拡大する見通しで、参入するチャンスだ」と指摘し、積極的な取り組みを呼び掛けた。