教材を使い、車いす利用者の適切な避難介助の方法を学ぶ学生=徳島市の徳島文理大

 南海トラフ巨大地震による津波に備え、徳島文理大の柳澤幸夫准教授(医療リハビリテーション学)と学生が、車いす利用者の屋外避難を想定した訓練用の教材を作った。県内では車いす利用者の避難をサポートする態勢が整っていないのが現状。教材を避難訓練などで活用してもらうことで、地域の防災力向上に役立ててもらう。

 教材はグレーチング(溝ぶた)と砂利、段差、液状化、がれき、階段の6種類あり、介助者が難易度の低い順からサーキット形式で疑似体験する。人形を乗せた車いすを押して、移動障壁となるポイントを把握し、解決方法を学ぶ。

 例えば砂利のコースでは、車いすの前輪が石の間に挟まって動かなくなり、要支援者が弾みで転倒する恐れがある。介助者が前輪を浮かせることでスムーズな移動ができるようになる。

 柳澤准教授らが2012年度、在宅のお年寄りを介護する人を対象に行ったアンケートでは、要介護度4、5の介護をしている約6割が「(災害時に)避難しない」と回答。理由として「移動時の介助方法が分からない」とする人が多かった。

 こうしたことから、柳澤准教授は教材作りを発案。ゼミ生7人と今年5月から2カ月かけて製作した。理学療法学科3年の多田慎太郎さん(20)は「大規模災害時は、車いす利用者にとって避難ルートが障害物だらけになる可能性がある。教材を通じて迅速な避難ができるようになってくれれば」と話した。

 今後は介助法の実践例を動画撮影した映像教材や市民向けのパンフレットも作製。体験会も計画しており、自治体や自主防災組織に活用を呼び掛けていく。