美波町の自然を生かした体験型観光プログラムの開発に向けて現地調査する徳島商高生=6月、同町山河内(同校提供)

美波町の自然を生かした体験型観光プログラムの開発に向けて現地調査する徳島商高生=6月、同町山河内(同校提供)

 徳島商業高校(徳島市)は本年度、生徒が学年や学科の枠を超えて地域活性化に取り組む「地域創生委員会」を新設した。特色ある専門高校を支援する文部科学省の「スーパープロフェッショナルハイスクール(SPH)」事業で培った商業の高度な知識や技術を生かし、徳島ならではの観光ツアーや特産品の開発などを行う。

 徳島商業高校は2015年度から3年間、SPHの指定を受けており、これまでカンボジアの友好協定校「カンボジア日本友好学園」との共同商品開発や、県内企業のホームページ(HP)作成支援、企業の財務諸表の研究といったテーマに学科ごとに取り組んできた。

 この過程で習得した商品開発や情報発信のノウハウを、生徒個々の関心を生かして地域に還元することが委員会の狙い。1~3年の全クラスから集まった委員60人が、観光、商品開発、国際交流、情報の4チームに分かれて活動している。

 観光では、美波町や徳島大と連携して同町の豊かな自然を生かした体験型観光プログラムを開発する計画で、新たな遊具などの整備も視野に現地調査を進めている。商品開発では、県産食材を生かした菓子を考案する。

 国際交流では、カンボジア日本友好学園と連携して同国の工芸品を県内で販売し、生産者に適正な賃金を届けるフェアトレードを行う。情報では、同校の地域貢献活動を学校HPで毎週紹介し、県内外に発信する。

 完成した菓子や工芸品は10月に鳴門市内で開く「徳商デパート」などで販売する。

 委員長の3年石川友香理さん(17)は「徳島が誇る自然や食材を全国に発信して地域を活性化できるよう、徳商生ならではのアイデアを出し合って取り組みたい」と意欲を見せている。