子どもの頭部外傷の大部分は軽症ですが、一部に重症の頭部外傷が隠れていることがあ
ります。これを見逃さないために頭部X線やCT検査を行います。しかしX線検査には被爆の
リスクがありますから不要な検査は出来るだけ避けたいものです。

 頭部外傷による症状には脳局所の障害によるものと頭蓋内圧亢進によるものがあります
。脳が強い衝撃を受けた場合に脳挫傷のように脳局所が傷つくことで手足の麻痺や感覚障害
、けいれんが見られることがあります。

 頭蓋内出血や脳浮腫にともなう頭蓋内圧亢進による症状には意識障害、頭痛、悪心、嘔
吐などがあります。しかし乳幼児では症状の訴えが不明確であり、不機嫌やいたずらに興奮
するだけの場合も少なくありません。

 子どもの頭部外傷を見たときに最初に確認することは受傷機転です。どのような状況で
頭部に傷を受けたのかを確認します。交通事故なのか転落・墜落事故なのか、目撃者がいた
のかなどを確認します。目撃者のいない場合にはより注意深い診察と経過観察が求められま
す。

 目の前の子どもに明らかな外傷や症状が無くても高い所からの転落や高速で走る車の事
故では強い衝撃を受けている可能性がありますからCT検査を行う必要があります。また基礎
疾患のために出血傾向の可能性のある子どもの場合にも注意が必要です。

 子どもの頭部外傷は日常的に発生することがあります。特に重篤なものは車の事故や高
い所からの転落・墜落事故です。頭部外傷を予防するためには、事故は起こるものと予測して
、近い所でも、チャイルドシートを装着するなどの習慣をつけることが大切です。