【上】板野町で見つかった外来病害虫のクビアカツヤカミキリ【下】クビアカツヤカミキリの幼虫に食い荒らされて枯死したため、伐採されたモモの木=板野町のモモ農園

 板野町内のモモ農園で、カミキリムシ科の外来病害虫クビアカツヤカミキリ(学名アロミア・ブンギ)による被害が拡大している。吹田、川端両地区を中心に、少なくとも20戸の農家で被害が確認され、モモ農園がほぼ全滅した農家もある。上板町内でも被害を受けているとみられる木があり、県が警戒を呼び掛けている。
 
 県立農林水産総合技術支援センター(石井町)によると、被害が確認されたのは、板野町内のモモ農家約20戸が保有するモモ農園50カ所(計約9ヘクタール)のうち35カ所。被害が大きいモモ農園では30本中29本が被害を受け、うち24本が枯死した。

 クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島が原産で、成虫の体色は黒で胸が赤いのが特徴。幼虫が木の内部に入り込んで水や養分が通る管を食べ、ひどい場合は枯死させる。

 県内では2015年7月に板野町で初めて見つかって以降、幼虫による被害で枯死し伐採された木は同町内で少なくとも50~60本に上る。センターがこれまでに同町内で約1700匹の成虫を捕獲しているものの、効果的な捕獲・駆除の方法は確立されておらず、被害は拡大傾向にある。

 板野町内の農家(67)の約10アールのモモ農園でも昨年から被害が発生し、モモの木22本のうち12本が枯死した。売り上げは昨年から半減するとみられ「仕方のないことだが、モモの木がかわいそう。来年の収穫はさらに今年の半分になるかもしれない」と嘆いた。

 幼虫が寄生した木の根元には、食べかすと排せつ物の混じった木くずのような「フラス」が大量発生する。上板町内のモモ農家3戸でもフラスとみられるものが見つかっており、被害の拡大が懸念されている。

 センターは、被害調査や成虫の捕獲を継続するとともに、農家に殺虫剤を使った幼虫駆除を呼び掛けている。担当者は「フラスが根元にある木には幼虫がいる可能性が高いので、センターにすぐ報告してほしい。成虫を見つけたらすぐに駆除して」と話している。