寂聴さんが90代で執筆した作品を紹介する特別展=県立文学書道館

 徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(97)が90代で執筆した作品を紹介する文学特別展「いのち―90代の寂聴文学」が9日、徳島市の県立文学書道館で始まった。5月24日まで。

 「死に仕度」(2014年)「わかれ」(15年)などの作品や、文芸誌に連載している小説の直筆原稿など194点を展示。背骨の圧迫骨折や胆のうがんの手術を経て、身近な人物をモデルに簡潔な文体で描く掌編小説が多くなっている。

 51~95歳の句を集めた「ひとり」(17年)には、出家する朝の様子や娘を置いて家出した後悔などを詠んだ85句を収録。心臓手術後の鬱々とした気持ちを変えるため初めて自費出版した句集で、90代で新たな世界に挑戦する寂聴さんの生き方を表している。

 徳島市下助任町2の稲井和子さん(86)は「90代でこれほど精力的に活動されているとは驚き。頑張る力をもらった」と話していた。