美波町が同町赤松の赤松小学校跡地に整備していた「赤松防災拠点施設」が完成し、17日に落成式があった。津波被害の恐れがなく、災害時に物資の受け入れ拠点として活用する。完成を記念し、地元住民が立ち上げた人形浄瑠璃座「赤松座」が初舞台に立った。
落成式には約300人が出席。影治信良町長が「防災と地域活性化の拠点として住民と新たな歴史を刻んでいきたい」とあいさつした。この後、赤松座を指導する人形遣いの勘緑さん(61)と同座の6人が三番叟(さんばそう)を舞い、大きな拍手が送られた。
施設は木造2階建て(延べ207平方メートル)で、隣にヘリポートを設けている。多目的スペースや備蓄倉庫、台所、浴室、宿泊用の和室などを備え、平時は地域の交流の場として活用する。総事業費は7千万円。
赤松座は、明治初期まで赤松地区にあった人形浄瑠璃座を復活させようと、住民ら14人が4月に新たに結成した。