太平洋戦争下の悲惨な戦禍を後世に伝える「平和・人権資料展」(阿波市文化協会主催)が14日、同市市場町の交流防災拠点施設アエルワで始まった。18日まで。
戦争末期に編成された「徳島白菊特攻隊」に関する史料をはじめ、原爆の被害を撮影した写真や戦時下に発刊された雑誌のコピー、県内で起きた空襲の記録など約200点を展示。特攻隊員の遺品や集合写真、特攻練習機「白菊」のものとみられる部品も並び、来場者は平和の尊さを改めて実感していた。
終戦後に旧満州(中国東北部)から引き揚げたつるぎ町貞光の枋谷冨美子さん(89)らを招いた座談会もあった。枋谷さんは、略奪や食料難で混乱した旧満州から必死の思いで帰国した生々しい体験を語り、集まった約30人に「戦争を二度と繰り返さないためにも人類が仲良くしないといけない」と訴えた。
展示史料を熱心に見ていた近藤恒夫さん(78)=同市市場町香美=は「若い人たちもぜひ訪れて学んでほしい」と話した。