8月の閉店が決まり、客と音楽談義を交わす「ディスクステーションAWA」の木村店長(左)=徳島市寺島本町東

 徳島駅前で約30年間営業し、音楽ファンに親しまれてきたCDショップ「ディスクステーションAWA(あわ)」(徳島市寺島本町東)が、8月13日で閉店する。インターネット配信や通販に押され、若者の購入欲が低下したことが要因。若者に音楽との出合いを提供し、女性ロックバンド・チャットモンチーなど、徳島出身ミュージシャンを育む場ともなってきただけに、閉店を惜しむ声が上がっている。

 木村隆店長(68)によると、楽曲ダウンロードや通販でのCD購入が進み、毎月の売り上げは最盛期の1990年代後半の「数千万円」から10分の1以下に減少。レコード会社も楽曲配信に力を入れ、新作を出さなくなってきた。徳島駅前の人通りが減ったこともあり、6月から「閉店セール」を始めた。

 AWAミュージック(小松島市)の2号店としてオープンしたのは88年。80年代後半のバンドブームを背景にしてのことだった。

 店舗面積は約80平方メートルと広くはないが、いち早くパソコンでの売り上げ管理を導入し、顧客ニーズを把握。当時、徳島市中心部には10店舗近くが営業していたが洋邦のロック、ポップスからジャズ、クラシックまで約1万枚を常備する品ぞろえで生き残ってきた。

 B‘zやミスターチルドレンが活躍した90年代、話題作が発表されるとレジに並ぶ客が店外まで列を成し、客の間を縫って定員がCDを陳列。同じ作品を800枚入荷し、売り切ったこともある。

 常連客の林宏美さん(44)=徳島市徳島町2=は「幅広い音楽を置いてあったのも魅力。あれこれ選びながら直接買う方が、温かみを感じて好きなので閉店はショック」と言う。

 店舗では、チャットモンチーのメジャーデビュー前の出陣式を開いたり、徳島発のコミックバンド「四星球(スーシンチュウ)」の作品を大々的にPRしたりと、音楽シーンの活性化を応援してきた。美馬市出身のヒップホップアーティストCO―KEYさん(40)=本名・藤田好輝(こうき)、東京在住=は中学から通い詰め、デビューアルバムも置いてもらった。「音楽活動の原点なので、感謝しかない」と振り返る。

 木村店長は「100パーセントの力で走ってきたので、悔いはない。若者と音楽の知識を競い合って成長してきたことが私の宝物」と話している。