ノルウェーの版画家プレスティガード・エリーさん(67)が、吉野川市山川町の阿波和紙伝統産業会館に約1カ月間滞在し、和紙作品を制作した。4月22日まで、山川町久宗の醫光(いこう)寺で作品の一部を展示している。
地球から微生物まで自然をテーマにした抽象的なデザインを、型枠やたこ糸、コウゾの繊維などを使って和紙に染色し、カラフルに描いた。大きめの和紙(縦76センチ、横56センチ)に空が映った水面や植物の生命力を表現した作品もある。
プレスティガードさんは10年ほど前、独特の風合いや加工に優れた阿波和紙の魅力に引かれた。本場の和紙会館で創作活動に励むため、同館の「ビジティングアーティスト」事業を使って3月上旬に来県。これまでに40点以上を仕上げた。
和紙会館は作品を地元住民らに見てもらおうと、醫光寺に依頼。寺の喫茶スペース「お寺カフェ」に10点ほど飾っている。
プレスティガードさんは今月中旬に帰国。「伝統ある工房で念願の創作活動ができ、精神的にも充実して取り組めた。多くの人に楽しんでもらえればうれしい」と話している。
<お寺カフェ> 吉野川市山川町川田の忠義堂人形店東側の信号交差点を南に進む。約3キロ先を右折し、少し進むと醫光寺駐車場がある。午前9時~午後5時、入場無料。問い合わせは醫光寺<電0883(42)3605>。