【上】絵本「とらきちのいいところ」【下】H@Lさん

 徳島と大阪を拠点に個展などを開いている画家のH@L(ハル)さん(41)=堺市=が、絵本「とらきちのいいところ」(フレーベル館、1404円)を出版した。心温まる物語を、ダイナミックな筆遣いと鮮やかな色彩で表現している。

 主人公は猫のとらきち。仲間の良さばかりが目に付き、落ち込んでいた。しかし、仲間たちとの旅を通じて、ありのままの自分を受け入れることができるようになる。

 幼少期の心象風景をテーマに絵を描くハルさんが、森や野山で試練を体験する猫たちを、重ね塗りを生かした楽しい画風で仕上げている。

 ハルさんは「誰しも自分だけのいいところがあることを、絵本を通して訴えたい。猫たちの表情はもちろん、ページごとのアングルの違いも楽しんでほしい」と言う。

 大阪芸術大を卒業後匿名の画家として創作活動を始め、2008年、ニッサン童話と絵本のグランプリ絵本部門で大賞。受賞作「モイモイのポッケ」(BL出版)を出版した。

 09年からは毎年、徳島でも展覧会を開いていて「(徳島は)作家活動の拠点であり、今の自分を育ててくれた大切な土地」と話している。

 8月2~13日、鳴門市のギャラリーバンサンで個展を開く。絵本の原画や猫をモチーフにしたアクリル画など約30点を展示する。