春野祐治さん。後ろの風景画は若手絵本作家の羽尻利門さんが描画した「ふるさと」

 海風が頬を撫でるようにそよぐ、阿南市那賀川町の出島海岸。この海岸の防潮堤には、29年前に約7000人の手によって創られた全長2.8kmの壁画がある。月日を経て色褪せた絵を再生させようと、昨年5月に「出島壁画再創造プロジェクト」が始まった。

 発起人は那賀川町商工会青年部部長の春野祐治さん。春野さん自身も、5歳の頃この壁に絵を描いて参加した思い出の場所だ。構想は8年以上前から練っており、地域の人の協力を仰ぐために町内を回って声をかけたり、クラウドファンディングで資金を集めたり、堤防周辺の道路の除草や整地をしたりと、様々な行動を起こした。そして思いが実を結び、2019年11月、最北端の200m分に初めての塗り直しを実施したのだ。

 恐竜画家・CANさんや南部テクノスクールの生徒さん、2歳の子どもから年配の人まで約300人が集まった。イラストは春をテーマとした。小学校の入学式をイメージしたものや春に咲く花々が並ぶ。次回の開催は今秋の11月初旬を予定しており、夏を題材にしようと考えている。「ほんまは6年で完成させるつもりだったけど、もっと時間がかかると思う。何年かかるか分からんけど、一番端の中島港まで辿りつかせたい」。

恐竜画家のCANさんが手掛けたモノクロの1区画。力強いタッチで描かれた恐竜が目を引く

 

 春野さんの少年時代には那賀川町に「子どもを楽しませてやろう!」という「面白いおっさん」がたくさんいた。「TSUNAGU STREET」と名づけたこの道を蘇らせることで、今度は自分たちがその「面白いおっさん」になる番と意気込む。

【春野さんより募集告知!】
壁画の描き手を募集(1区画7000円必要)します。受付は夏頃開始予定。返礼品もあります。詳しくはSNSをご確認ください。