落車して骨折、入院した経験があり、辞めようと決めた時期もある。「でも、気づいたら乗ってました(笑)」

 鮮やかな赤のユニフォームに身を包み、きつい坂道を駆け上がる。「負荷がかかるほど集中力が増して別世界に入っていく。そうなると雑音が消えてめちゃくちゃ静かになるんです」。同僚に誘われ5年前に始めたロードバイクは、今や瀬野さんのライフワークだ。

 「大叔父と父親が競輪選手だったこともあって、自分がどれくらいやれるか試してみたくなった」と楽しげに言う。2018年「シマノ鈴鹿ロードレース」の個人タイムトライアルで予選突破したときは「自分を褒めた」と笑みをこぼす。

 片道20kmの通勤は、効率よく脚を動かすペダリングを意識して自転車を走らせる。帰宅後は近所の坂道をリピートして全身運動。「夏場なら家族が起きる前にアップダウンのある神山コースで、もがいて心肺強化。頑張ってるというより夢中です」。職場仲間で「NICHIA-Piu Veloce(ニチア-ピウヴェローチェ)」を結成し、今年、実業団チームに登録した。「目標は表彰台に上がること !」。