恩師・仲間・家族に感謝 巨人からドラフト育成1位指名

 「あいつにしかできないと思ってもらえるようなプレーでアピールしていきたい」。巨人から育成1位指名された徳島ISの増田大輝内野手はプロ入り後の自分を想像し、目を輝かせる。

 172センチ、63キロと小柄だが、卓越した走力と守備力でプロのスカウトから評価を引き出した。今季は41得点。相手の隙を突くセンスあふれる走塁で、チームで最も多くホームに生還した。打率は2割9厘。物足りなさを脚力でカバーし、何度も試合の流れを変えチームに勢いを与えた。「身長や粘り強い打撃スタイルが似ている井端(弘和)さんのような野手になりたい」と目標を掲げる。

 プロの入り口に立ち、小松島高時代のコーチらの激励にあらためて感謝している。渋野小1年時に野球を始め、小松島高時代は2年生の秋からは主将・主軸としてチームを引っ張るなど甲子園出場こそなかったが、野球人生はそれなりに充実していた。ところが、進学先の近大では体育会独特の雰囲気になじめず、先輩らからの圧力を負担に感じ「大好きな野球が嫌いになりかけていた」。2年時に中退した。

 古里に戻り、とび職をしながら草野球を楽しんでいた。その姿を見た小松島高野球部時代のコーチや周囲の親しい人から「ここでくすぶっていてはもったいない。上を目指せ」と活を入れられた。潜在能力を信じて掛けてくれた言葉に発奮し2013年秋にILのトライアウトに挑戦。2次テストを免除される特別合格を果たした。

 入団1年目は野球に取り組む姿勢や技術を学び、2年目に守備と走塁を磨くという進むべき方向を見定めた。「徳島に独立リーグ球団があったおかげ。自分を一から鍛え直すことができた」

 今年2月、同い年の優香さんと結婚した。「この1年間、死に物狂いでやって駄目だったら(野球を)辞める」。優香さんの両親に伝えて退路を断った。「自分が稼いで家族を養う。何としても上に行かなければという思いで必死だった」と今季を振り返った。

 9月には長男が生まれた。大事な家族のためにも努力を惜しまず支配下登録に挑む。打撃力向上が課題となるが「体重を10キロ増やせば飛距離は10メートル伸びる。走攻守そろった選手になるため、まずは飯をたくさん食べて体を大きくする」。恩師、ISの仲間、そして家族。支えてくれた人々への感謝を胸に、厳しいプロの世界で唯一無二の選手を目指す。

※日付・年齢などは2015年10月30日掲載時のもの

徳島新聞社など全国24メディアが協力した、コラボレーション報道「コトバのチカラhttps://powerofwords.jp/)」との連携企画記事