徳島県立21世紀館は県民に幅広く参加を募り、「文化の森 クライン合唱団」を結成する。来年6月のベートーベン「第九」アジア初演100周年に合わせた記念事業の一環。28日まで団員を募集し、8月9日から月2回の練習を始める。
名称の「クライン」はドイツ語で「小さい」の意味。小さくても親しまれる合唱団を目指す。既に60~70代のシニア層を中心に約20人の応募があり、最大50人程度が目標。
声楽家で、県地方創生推進員(県立21世紀館非常勤職員)の田所俊一さん(40)が指導。参加者は発声法やドイツ語の発音のこつを学び、第九の合唱パート「歓喜の歌」を中心に、「ローレライ」「真実の愛」などのドイツ民謡をドイツ語と日本語で合唱する。
県文化の森総合公園は現在、野外劇場に屋根を架設する工事を行っており、2017年度末に完成予定。クライン合唱団は、来年春から夏にかけて行う予定の野外劇場の改修記念イベントで、ステージに立つことを目標とする。イベント終了後には解散する。
21世紀館が今年始めた催し「21世紀館で歌おう」で「歓喜の歌」を合唱したところ、参加者から「もっと専門的に歌いたい」という声が多数あったため、合唱団結成を決めた。イタリア、ロシアでオペラや声楽を学んだ田所さんが、合唱指導を務めることになった。
田所さんは「合唱を通して、歌うことの楽しさとドイツの文化を身近に感じてもらえれば」と話しており、幅広い年齢層の参加を呼び掛けている。
無料。対象は小学生以上。問い合わせは県立21世紀館・文化の森企画広報室<電088(668)1111>。