大相撲名古屋場所で横綱白鵬関(32)が元大関魁皇を抜き、単独史上1位となる通算1048勝目を挙げた21日、徳島市東新町商店街に設けられたパブリックビューイング(PV)の会場は歓喜に包まれた。「歴史に名を残した」「よくやった」。前人未到の大記録達成に、集まった後援会員やファン約60人から祝福の声が上がった。
午後5時50分すぎ、白鵬関が土俵に上がると、PV会場では「白鵬コール」が起こった。大関高安関との取組中は「頑張れ」「いけー」と声援が飛ぶ。白鵬関が勝利すると、観衆は万歳をしたり握手をしたりして喜びを分かち合った。
徳島後援会の近藤宏章会長(70)は「大きな金字塔を打ち立てた。まだまだ勝ち星を増やしてほしい」とエールを送った。
大記録達成後、後援会は「祝 通算勝ち星歴代1位」と書かれた横断幕を商店街中心部に掲示。福田典彦事務局長(64)は「横綱は妻紗代子さんの出身地の徳島を日頃から第二の古里と呼んでおり、勝ちが決まった瞬間は思わず涙が出た。今までで一番の取組だった」とたたえた。
福田事務局長の長男哲也さん(34)は「感動した。奥さんはもっと感動しただろう」。名古屋場所が開かれている愛知県体育館で観戦していた紗代子さんに、商店街にPV会場を設けて偉業を見届けたことを無料通信アプリLINE(ライン)で伝えると「ありがとう」と返信があった。
PV会場にはモンゴル出身者も訪れ拍手を送った。徳島大大学院で5月まで放射線に関する研究をしていたムングン・ホーヤグさん(37)は「日本、モンゴル両国の誇りだ」と興奮した様子。白鵬関が訪れた2011年の板野高校相撲部の夏合宿を見学したことが縁で、本場所前には電話やメールで連絡を取り合っている。「モンゴルでも白鵬関のファンは多い。日本の方と一緒に歴史的な瞬間に立ち会えて本当にうれしい」と話した。
後援会は10月にも白鵬関を招き、記録達成を祝う。