徳島県内で貸し切りバス事業を行う26社の3月の運送収入が、新型コロナウイルス感染症の影響で前年同月に比べて40%以上減ったことが、県バス協会の緊急アンケートで分かった。このうち半数以上の15社が90%以上落ち込んだ。事業者からは「このままでは終息しても業界全体が壊滅する」と悲痛な声が上がっている。路線バスと高速バスも乗客数を大幅に減らした。

 アンケートは協会加盟の31社を対象に、1~10日に実施。全ての事業者から回答を得た。

 貸し切りバス事業では、3月の運送収入が「前年比90~99%減」としたのが15社あったほか、4社が「80~89%減」、3社が「60~79%減」、4社が「40~59%減」と答えた。旅行会社が企画する観光ツアーや学校行事、部活動の遠征などの予約のキャンセルが相次いだ。

 4月の予約も90%以上減ったとする事業者が21社あり、秋の予約もキャンセルが出ているという。「6月以降も見通しが立たず不安しかない」「このままでは会社を維持するのは不可能な状態」など厳しい状況を訴える回答が目立った。

 路線バスを運行する5社に対する調査では、3月の乗客が前年から14万647人(35・9%)減の25万590人だった。同月上旬から学校が休校となり、通学利用が減ったのが響いた。

 高速バス7社は3月の乗客が9万1335人で、前年から13万119人(58・8%)減った。東京都や大阪府などで感染が広がり、移動を控えるなどしたためとみられる。

 徳島にも緊急事態宣言が出され、乗客のさらなる落ち込みが懸念される。事業者からは「高速バスの売り上げで路線バスの赤字を補てんしており、路線の継続が困難になる。最悪の場合、路線廃止となる危機的な状況を迎えつつある」と不安の声が上がった。

 協会の長谷部一喜専務理事は「終息が見えない中で今後も影響が広がると考えている。厳しい実情を国や県に訴えたい」と話している。