側道や橋脚の一部は完成しているものの、開通のめどが立っていない南環状線=徳島市国府町延命

 徳島外環状道路はいつ開通するのでしょうか。生きているうちに通行できますか―。徳島新聞「あなたとともに~こちら特報班」に徳島市の70代男性からこんな声が届いた。市中心部の交通渋滞を解消するため1986年に事業化されたものの、34年が経過しても全線開通のめどは立たない。市西部の西環状線に限れば進捗率は約26%の低さだ。少子高齢化と人口減少が進む中、「道はできても通る人がいない」状況にならないだろうか。

 徳島外環状道路は、県と国が整備を進める。総延長35キロで、多くの未開通区間が完成すれば市内の交通渋滞が飛躍的に緩和されるという。

 平日の夕方、部分開通している市南西部の南環状線を車で走った。国府町延命周辺の側道は通行できるものの、八万町方面につながる高架部は整備中の橋脚が点在するだけで工事は進んでいない。

 上八万町の片側1車線の県道は、市中心部から神山町に向かう下り線に長い車列ができていた。しらさぎ台~上八万中学校周辺の800メートルの区間を通過するのに10分以上かかった。朝の通勤時間帯はさらに渋滞し、住民から「整備する気はあるのか」と不満の声が聞かれた。

 外環状道の事業進捗率(2018年度末、事業費ベース)は東環状線約80%、南環状線約51%、西環状線は約26%。用地取得率は東環状線約92%、南環状線の約93%に対して、西環状線は約45%にとどまっている。

 全線開通が遅れている原因の一つは、西環状線の整備構想が一時、白紙化されたためという。

 構想では、吉野川第十堰の可動堰化に伴い吉野川に架ける道路橋と可動堰を一体的に整備するとしていた。だが、可動堰化への反対運動を受けた徳島市の住民投票などにより、県が単独橋として建設する方針に切り替えるなど、事業内容やスケジュールが大きく見直された。

 当時、旧建設省(国土交通省)徳島工事事務所の事業対策官として可動堰化事業を進めた香川大の松尾裕治客員教授は「可動堰と道路橋を一体的に整備するとコストを低く抑えられ、国からの予算も得やすい状況だった」と振り返る。

 南環状線を整備する国交省は「用地取得が難航しており、思うように事業が進まない」と説明する。その他の部分を担当する県も「予算が限られ、整備できる部分を着実に進める」としている。

 こうしたことから、南、西環状線の計画区間周辺の住民は不便が続きそうだ。一宮町の70代男性は「多くの人が渋滞解消を望んでいる。期待していないけど、死ぬまでに開通してほしい」と話した。

 徳島外環状道路 2000年に開通した北環状線(徳島市川内町大松―藍住町東中富、9・0キロ)、高架部以外が暫定開通している東環状線(徳島市川内町大松―八万町大野、10・4キロ)に比べ、西環状線(徳島市国府町観音寺―藍住町東中富、6・1キロ)と南環状線(徳島市八万町大野―国府町観音寺、9・5キロ)の大部分は未開通。国、県とも工事費や調査費などに年数億~二十数億円を支出しているものの、ここ5年間はほぼ進展がない。