金沢悠香さん(31・徳島市出身)

 前職を聞けば、「実は、デパートの化粧品売場で3年間働いていたんですよね」と照れ笑いする金沢さん。28歳まで林業とは縁のない生活を送ってきた。「元々警察官や消防士を目指していたんで、外で体を動かして働く方が自分には合っとるなと感じていました」。もやもやした気持ちを抱えながら働いていたとき、タウン情報誌で「とくしま林業アカデミー」の研修生募集の記事を目にした。「研修費用がかからんことに驚いて、すぐ説明を聞きに行ったんです。そうしたら、試験だけでも受けてみませんかって過去問のプリントをいただいて、試験を受けて…。トントン拍子に進みました」。

 無事に林業アカデミーに合格し、2018年4月から1年間の研修が始まった。森林や林業についての講義を受け、チェーンソーの使い方や林業機械の操縦方法などを学んだ。「何をしても楽しかったです。同期にもう1人女子がいたのも心強かったですし。ただ、人生で地下足袋を履いたことがなかったんで、慣れるまでは親指と人指し指の間が痛くて痛くて。慣れてしまえば山でこれほど歩きやすい履物はないんですけどね」と笑う。10月末から3カ月間は森林組合や企業へインターンシップに行き、林業の現場で経験を積んだ。

重機に乗り込む金沢さん。

 2019年4月、第1希望だった木頭森林組合に就職し、立木の伐倒や獣害防止のネット張り、苗木の植えつけなどの業務に励んできた。「できんこと、わからんことの方がまだ多いので、1年目って立場を利用して先輩たちに質問しまくりです。1日があっという間に終わります」。今年2月からは、那賀町牛輪地区の皆伐事業(エリアの木を全てまとめて切る施業のこと)に取り組んでいる。集落から近く、比較的傾斜が緩やかな山での仕事。日当たりを確保するため、27mほどに伸びた杉を伐倒する。木は造材機械プロセッサを使って、枝払いや、設定した寸法に切断する玉切り、トラックへの積載までを一貫して行う。「木をプロセッサまで運ぶために線(ワイヤ)を張るんですが、線が重すぎて私には難しいんですよね。でもプロセッサの操縦に力はいらないので、短時間にたくさん玉切りできるように技術を磨いているところです」。1つの現場には1班2〜3人で充たることが多いが、「場数を踏んで、常に落ち着いて仕事ができるようにしたい。先輩みたいに何でもできる班長になりたい」と目を輝かせる。    

チェーンソーで伐倒した杉をプロセッサと呼ばれる造材マシンで玉切りする金沢悠香さん。「大振りしてこけんように、車体の近くでコンパクトに作業できるように」と特訓中。

 

>>木頭森林組合 相生支所

那賀町吉野弥八かへ23

0884-62-0097