徳島県は、中央構造線断層帯を震源とする最大クラスの直下型地震で、吉野川北岸を中心に3440人が死亡するとの被害想定を25日、公表した。建物の全壊・焼失数は6万3700棟に上る見込みで、板野、鳴門、藍住の3市町では建物の7割超が全半壊する。

 県の想定によると、地震の規模はマグニチュード(M)7・7で、死者が最大になるのは、多くの人が寝静まった冬の深夜。建物被害は、暖房器具やガスコンロの使用が増えて火災の起こりやすい冬の午後6時に最悪となる。震度分布は徳島、鳴門、阿波、松茂、北島、藍住、板野、上板、石井の9市町で震度7を観測するとの今年3月の公表データを適用した。

 市町村別で死者数が最も多いのは徳島市の1160人。鳴門市690人、藍住町270人、阿波市180人と続く。

 原因別では、揺れによる建物倒壊に伴う死者が83%の2860人を占めた。このうち250人は固定されていない家具の転倒や落下物で亡くなる。火災による死者は560人。

 建物の全壊・焼失は徳島市が最も多く、2万5600棟。鳴門市1万1100棟、藍住町4500棟、吉野川市2900棟と続いた。

 原因は揺れが70%を占め、4万4400棟。火災による焼失は1万8700棟だった。半壊も6万2700棟に上り、建物の全半壊率は板野町で73・9%、鳴門市で73・6%、藍住町で72・0%に達する。

 ライフラインでは、発生直後に上水道の75%が断水するなど、大きな混乱が生じ、避難者は25万4100人に及ぶ。道路は1100カ所、鉄道は420カ所が損壊し、直接経済被害は4兆2600億円に上るとされた。

 県は耐震化率100%(2013年10月時点で77%)の達成で死者数が9割低減でき、家具転倒防止、避難所の環境改善、急傾斜地崩壊対策など、各種対策を万全にすることで「死者ゼロ」が達成できるとする被害軽減策も併せて示した。

 大津波が発生し、震度7エリアが中央構造線地震より27%広い南海トラフ巨大地震は、死者が3万1300人に上ると想定されている。今回は1割程度にとどまったが、藍住、阿波、吉野川、板野、石井、上板、美馬、三好、東みよしの内陸9市町では南海トラフ地震を上回る死者が出ると算出された。

 被害想定は県のホームページで公開している。