徳島県が25日に発表した中央構造線地震の被害想定では、板野郡や県西部など10市町で南海トラフ巨大地震の想定を上回る避難所生活者が発生すると予測している。市町村はこれまで南海トラフ巨大地震の想定に基づいて避難所の確保や備蓄を進めてきたが、対策の見直しが迫られる。

 想定では、地震発生から1週間がピークで25万4100人の避難者が発生。約半数の12万7100人は避難所に流れ込むと推計している。藍住、吉野川、阿波、石井、板野、美馬、上板、三好、東みよし、つるぎの10市町で、南海トラフ巨大地震よりも避難所生活者が多くなる。

 指定避難所9カ所で計1485人の受け入れ体制を整えてきた上板町は、南海トラフ巨大地震では1600人の避難所生活者が出ると想定されていたが、今回はこれを2千人近く上回る3400人の避難が見込まれる。

 町企画防災課は「15カ所ある補助避難所を含めれば3198人分は確保できており、民間の病院や福祉施設と受け入れについての協定も結んでいる」と説明。不足分の確保を急ぐ構えだ。

 藍住町では南海トラフ時よりも3200人多い9400人が避難所に流れ込む可能性があるとされた。町は指定避難所8カ所で計9154人の受け入れ体制を整えているが、建設中のホールの避難所指定など、さらなる対応を検討している。

 一方、徳島、鳴門、小松島、阿南、海陽、松茂の6市町では南海トラフ時の避難所生活者の受け入れ先確保が程遠い状況のままだ。徳島市の担当者は「国や県の施設、民間と協定を結ぶなどして確保を進めたい」と対応を急いでいる。

 避難所と併せて用意しなければならないのが飲食料品や毛布などの備蓄。県の指針では避難者の飲食料品1日分は市町村が蓄える。既に目標を上回る市町村もあるが「町単独では財源が厳しく、国や県に補助制度を設けてもらいたい」(上板町)などの声も上がっている。