新型コロナウイルス感染拡大を受け、疫病を払うと伝えられる半人半魚の妖怪「アマビエ」の絵を製品にする動きが徳島県内で相次いでいる。閉塞感が漂う中、遊び心を交えた終息への願いが広がる。

鳴門・本家松浦酒造場「家飲みでも元気に」

アマビエをラベルにした鳴門鯛純米大吟醸=鳴門市大麻町の松浦酒造場

 鳴門市大麻町の老舗酒造「本家松浦酒造場」は、アマビエをラベルにした「鳴門鯛純米大吟醸」を発売した。

 ラベルの図案を描いたのは藍住町の40代女性。無料通信アプリLINE(ライン)の友人同士のグループにアマビエのイラストを投稿したところ、子どもの習い事を通じて知り合った同社員の目に留まった。

 通常の鳴門鯛純米大吟醸の精米歩合は40%だが、アマビエラベルの製品は35%まで米を磨いた。雑味のない香り豊かな味わいに仕上がったという。

 広報担当の三谷昌世さん(51)は「外出ができず、家でお酒を飲む人が増えていると聞く。かわいらしいイラストと日本酒で元気になってほしい」と話した。

 店頭やホームページで購入できる。720ミリリットル入り2420円(税込み)。問い合わせは本家松浦酒造場<電088(689)1110>。

三好・三芳菊酒造、新たなデザイン募集へ

三芳菊酒造が商品化した日本酒「疫病退散アマビエ特別純米」=三好市池田町サラダの同社

 

 三好市池田町の「三芳菊酒造」は、アマビエを包装に描いた日本酒を発売した。消費者からアマビエの絵を募ってデザインする取り組みも始める。

 新商品の純米酒「疫病退散アマビエ特別純米」は、ラベルに愛らしい2体のアマビエを描き「コロナに負けるな!」と吹き出しを添えた。阿南市出身のイラストレーター亀川苑花さん(29)がデザインした。

 県産の山田錦と米こうじを使い、芳醇ですっきりとした後味に仕上げた。1800ミリリットル入り2750円、720ミリリットル1430円、180ミリリットル440円(各税込み)。ホームページなどから購入できる。

 絵を募って商品化する企画は、自前のラベルを作る設備を使い、集まったイラストを全て印刷。180ミリリットルの瓶に貼って順次販売する。近くホームページに投稿フォームを設ける。

 杜氏の馬宮亮一郎社長(52)は「少しでも明るい気持ちになってもらえればうれしい。アマビエの御利益があるかも」と話した。

 アマビエ 江戸時代の瓦版に描かれた半人半魚。肥後(現在の熊本県)の海から姿を現し「疫病が流行したら、私を描いた絵を広めなさい」と告げたとされる。会員制交流サイト(SNS)で絵を描く運動が広がっており、厚生労働省もアマビエを描いた啓発用アイコンをホームページで公開している。