人工交配に向けて栽培している藍=石井町の県立農林水産総合技術支援センター

 2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムに藍色が使われるのを機に、徳島県立農林水産総合技術支援センターが、藍の新品種開発に着手した。藍の作付面積が減少している状況を踏まえ、葉の収量が多く、色素の含有量が豊富で収穫しやすい藍を生み出すのが目標。9月ごろから人工交配を始め、5年後の実現を目指す。センターによると、藍の新品種開発の取り組みは全国に例がないという。

 センターは05年度から数年間、試験的に藍の人工交配を行ったことはあるが、本格的に新品種開発を目指して人工交配、栽培に取り組むのは初めて。

 5月に、センターで保存している11品種の種と、05年度に試験的に人工交配させて採取した種をセンターの試験ほ場にまき、栽培を始めた。一定程度、成長した時点で色素の含有量や葉の形、開花時期などを調べ、人工交配にふさわしい組み合わせを検討する。

 今のところ、色素含有量が多く、県内で広く栽培されている品種「千本」と、色素含有量は少ないものの、垂直方向に伸びるため収穫しやすい品種「赤茎小千本」を中心に組み合わせていく。

 県によると、県内の藍の作付面積は、生産農家の高齢化に伴い、02年度の24ヘクタールから14年度は15ヘクタールに減少した。一方で、天然染色原料として藍の需要は高まっており、センターは新品種開発で作付面積の減少を補いたい考えだ。

 担当する吉原均専門研究員は「藍の新品種開発はモデルとなる事例がないため難しいが、100年後も使ってもらえる品種を生み出したい」と話している。