住民と一緒にナミキソウの自生地に堆肥をまく新野高生=美波町志和岐

 環境問題を学んでいる新野高校(阿南市)の2、3年生31人が、絶滅が危惧される海浜植物・ナミキソウの保全活動を始めた。県内唯一の自生地である美波町志和岐地区で、生徒が作った堆肥を使って増殖を目指す。住民と交流しながら、ナミキソウを活用した地域活性化策も探る。

 ナミキソウは砂浜などに生え、5~8月ごろに約2センチの青い花を咲かせる。県のレッドデータブックで絶滅の危険性が最も高い「IA類」に分類され、全国的にも分布区域が縮小している。

 志和岐地区では、住民グループ「志和岐花組」などが9年前から保全活動を続け、盗掘の防止にも目を光らせており、新野高の湯浅正浩教諭が環境問題の学習に役立てたいと協力を申し出た。

 13日に生徒11人が同地区を初めて訪れ、花組のメンバー8人と自生地周辺の雑草を抜いたり、堆肥をまいたりした。生徒は月1回のペースで地区を訪問する予定で、ナミキソウを使った地区のPR方法も検討する。

 生徒がナミキソウの増殖に使う堆肥は、道路や河川の除草作業で刈り取られた雑草から作り、「もったいない2号」と名付けている。

 保全活動のリーダーを務める俵内啓輔さん(17)は「地域のためになればうれしい」と意欲を示し、花組代表の重木なほみさん(71)は「高校生が来てくれるだけで地域がにぎやかになる。ナミキソウを一緒に守りたい」と話している。