地域活性化事業を手掛けるアワグラス(徳島市)が5月1日、小松島市小松島町外開の国登録有形文化財「大正館」に、起業準備中や起業間もない事業者が店舗、オフィスとして利用できる共有スペースを開設する。実践的に事業の経験を積むとともに、入居者同士が交流、連携し商品開発やイベント企画につなげる場として活用してもらう。
大正館は1918年築の旧商家で、木造2階建て延べ178平方メートル。大正時代の趣が残る和室や土間がある。アワグラスが所有者から借り、利用したい事業者に必要なスペースを選んでもらう。業種を問わず、店舗のほか、フリーランスで働く人の共同オフィスとしても入居できる。
大正館はこれまで一般社団法人CS阿波地域再生まちづくり(小松島市)が観光情報発信の拠点・まちの駅や、日替わりで料理人に貸すカフェを運営していた。4月中にもアワグラスが施設管理を引き継ぐ。CS阿波は今後も情報発信などで協力し、まちの駅の機能は継続する。
アワグラスは、2015年5月から徳島市の二軒屋駅舎内で共有スペースを運営している。現在、雑貨店やネイルサロンなど6店舗が入り、共同オフィスは15人が利用。問い合わせも多いため2カ所目の開設を決めた。
岸村憲作社長は「大正館は施設自体の文化的価値も高く、集客に生かせる。将来的には独立して周辺に出店してもらい、地域の活性化につなげていけたら」と話した。
利用料は、店舗が月1万円から、共有オフィスが週2回利用で月4千円から。問い合わせは岸村社長<電090(4971)7856>。