公立図書館の1人当たりの資料費

 徳島県内の24市町村が運営する図書施設に関し、書籍や雑誌などの購入に充てる「資料費」の住民1人当たりの額が、2016年度は自治体間で最大542円の格差があったことが、徳島新聞の調べで分かった。最高額は牟岐町で542円。100円未満は7市町村で、うち神山町は0円だった。図書施設は子どもからお年寄りまで生活に身近な社会教育機関の代表格だが、財政の厳しい自治体は費用の捻出が難しくなっており、知的インフラの差が広がっている。

 県内で公立図書館を設置しているのは18市町。他の6町村は公民館や公的施設に設けた図書室などで対応しているほか、県立図書館(徳島市八万町)の利用を促している。

 住民1人当たりの資料費が牟岐町に次いで高かったのは海陽町で457円。以下、松茂町449円、勝浦町392円、美波町353円の順だった。18市町の公立図書館の中で、蔵書数が最多(約48万冊)の図書館を持つ徳島市は225円だった。

 一方、100円未満は神山町のほか、上板町8円、佐那河内村12円、つるぎ町32円、石井町44円、東みよし町46円、小松島市70円だった。このうち神山、上板、佐那河内、つるぎ、石井の5町村には公立図書館がない。

 資料費の全体額が最も高いのは徳島市で5742万円。次いで阿南市が1400万円、阿波市が1240万円だった。

 16年度の資料費が0円の神山町では、町内の5公民館と農村環境改善センターに図書室があり、本は県立図書館からの寄贈。11年度に予算がなかった上勝町は16年度28万円、上板町は9万円の資料費をそれぞれ確保した。「利用者の要望を反映させるため」(上板町)という。

 16年度と11年度の資料費を比較すると、増えたのは14市町。約2400万円増額した徳島市は、市立図書館が12年4月に徳島駅前のアミコビルに移転オープンしたことに伴い「蔵書数を増やした」としている。阿南市は、自治体同士で協力して地域づくりを行う定住自立圏事業の一環で200万円増やした。

 減額したのは5町。理由として「財政事情。全体的な削減に伴い、資料費も減った」(板野町)といった声があったほか、図書施設の設備投資に経費がかかったことを挙げる。5町村は増減がなかった。

 四国大文学部の須藤茂樹教授(博物館学)は「図書施設の充実は社会教育の推進はもちろん、子育て世代や高齢者らの生活向上につながるだろう。財政が厳しい自治体も工夫をして一定の予算を確保するべきだ」と指摘している。