前東京都知事の舛添要一氏は4月25日、徳島で県外ナンバー車への嫌がらせが起きているとの報道について、自身のツイッターで触れ、「ここまで来ると異常だ。対立よりも連帯を!」と訴えた。

 県外ナンバーのドライバーが県内在住をアピールするステッカーを貼って”自衛“しているとの報道機関の記事を貼り付け、危機感を書き込んだ。(以下ツイート原文のまま)

 ここまで来ると異常だ。中世の欧州でペストが流行ったとき、感染者の家の戸に赤十字を描き封鎖した。コロナでは、武漢で感染者の家の戸に閂を打ち込み監禁した。感染すると、芸能人以外は町内から村八分に会うような日本にはしたくない。対立よりも連帯を! 明日は我が身だ。

「お互いさまの精神で」 舛添要一前都知事に聞く

 

 舛添氏は取材に対し、新型コロナウイルスの危機に臨むポイントとして「お互いさまの精神」「密集を避けるなど基本的な感染防止策の徹底」などを挙げた。

 徳島だけでなく各地で異常なことが起きているが、県外ナンバー車に石を投げられたとか、県内在住を示すステッカーを貼ったとかという変な話が報道され、徳島のイメージが落ちてしまった。個人的になじみが深い土地だけに残念だ。

舛添要一前都知事(事務所提供)

 

 県外ナンバーのチェックはやりすぎではと感じる。どんな事情があっても、よその県の人は来ちゃ駄目だというメッセージにもとられかねない。感染者ゼロの岩手が言うなら分かるが、徳島は5人感染している。他にもいるかもしれない。お互いさまだ。そう思い、「対立よりも連帯を」と投稿した。

 水際作戦としても十分でなく、ウイルスはプラスチック容器など物に付着している可能性もある。人の移動を抑制しても、物流は止まっていないので対策として限界がある。行政は、そこまで細かなことに注意を払うのではなく、密閉空間でのライブや、密集の中でマスクを着用しないといったことの防止に注意すべきだ。常識の範囲内で感染防止を呼び掛けるのでいい。

 緊急事態宣言が延長されると一層、生活が息苦しくなり、雰囲気も悪くなる。外国ではマンションのベランダで一緒に歌う光景が見られた。日本でもストレスをためないことが大事だ。ストレスがあるから、今回の嫌がらせのようなことが起きてしまう。

 新型コロナを巡る政府などの対応には課題が多い。政府は、もっと科学的データに基づいて判断すべきだ。東京の感染者数の推移を見ていれば分かるが、休日に検査数が減れば感染者数が減る。これは、検査を徹底的にすれば感染者が何人いるか分からないということを示している。感染者数が減ると緊急事態宣言を解除するというが、その調査方法は正しいのか。最後は政治が決めることだが、前提のデータが危うい。

 全国知事会が緊急事態宣言を継続する場合は全都道府県で行うよう求めていることについても違和感がある。岩手のように感染者がゼロという県も同じ対応を取るべきなのか。

 県外ナンバーのチェックではなく、体温を測らせてくださいというのはいいと思う。私たちもテレビ局に入るときに検査を受ける。これも感染が広がらないようにするお互いさまの精神だ。例えば、徳島は緊急事態宣言を解除するけど、県境などで検温はさせてもらい、37・5度以上あれば、PCR検査をすぐに受けてもらうといった取り組みをするなど、全国一律ではなく、各県の自主性がもっとあっていい。

 住民に身近な地方の自治体は、とにかく、人と十分な距離を取る「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」の呼び掛けの徹底など、県民を信じて感染予防に努めてほしい。