国土交通省による車の自動運転の実証実験が、三好市西祖谷山村の道の駅「にしいや」とイベント広場「かずら橋夢舞台」を結ぶルートで行われる見通しとなった。31日に同省が開く検討会で決定する。
国交省は本年度、全国10カ所の道の駅を拠点に駅と集落の間を自動運転車で結ぶ実証実験を実施する。5カ所を4月に選び、残る5カ所を公募していた。
三好市は5月下旬、「にしいや」と夢舞台を起点に約7・7キロの周遊ルートを設定し、途中、温泉施設や公園を巡るなど、年間35万人の観光客が訪れる祖谷のかずら橋から新しい人の流れを生み出す構想を提案していた。
実験では、国が道の駅に自動運転車を駐車する「自動運転ステーション」を整備。観光客が、ルート上にある施設からスマートフォンなどを使って自動運転車を呼び出し、目的地まで走らせる。実験は1週間程度で、市は紅葉シーズン後の11月下旬~12月上旬の運行を目指す。
8月以降に県や市、県警、地元観光業者らで協議会を立ち上げて詳細なルートや運賃を決める。安全性や採算性のほか、悪天候への対応などを検証する。
市観光課は「実現すれば四国で初めて自動運転車が運行されることになる。多くの観光客が訪れるかずら橋からの周遊を促すことで滞在型観光につなげるビジネスモデルを確立したい」としている。
事業は少子高齢化が進む中山間地で高齢者の交通手段を確保することや観光客の周遊を促すことが目的。国は2020年までに道の駅を拠点とした自動運転サービスの実現を目指している。