
新型コロナウイルスの早期終息を願い、徳島県内の和菓子店で、疫病退散に御利益があるとされる妖怪「アマビエ」をかたどった和菓子「練り切り」を販売する動きが広がっている。阿南市富岡町の「お菓子処 もみじや」が呼び掛けたもので、4市町の7店が独自にデザインした商品を展開して人気を集めている。
アマビエの練り切り作りは、もみじやの岡澤孝浩社長が、感染終息を願い、長期の自粛生活が続く県民を楽しませたいと考えて発案した。江戸時代の瓦版に記されたアマビエとされる絵を参考にしてイメージを膨らませ、餅生地に白あんを混ぜ、紫、ピンク、水色、黄の4色を着けた練り切りを完成させた。
4月25日に1個248円(税込み)で販売を始めたところ、縁起物として贈答品に選んだり、かわいらしいデザインを評価して購入したりする人が相次ぎ、毎日10個を完売するほどの人気に。これを受けて、岡澤社長が部長を務める県菓子工業組合青年部で同様の取り組みを呼び掛けたところ、徳島、鳴門、美馬、北島4市町の7店が賛同した。
アマビエは、江戸時代に熊本県の海から現れたとされる体の半分が人間、半分が魚の姿をした妖怪。疫病の流行を予言し「私の姿を描いた絵を人々に見せるように」と言い残したと伝えられる。新型コロナの感染拡大で脚光を浴び、SNS上ではプロの漫画家や一般の利用者らが独自のイラストを投稿するなどして話題になっている。

もみじやでは5月5日からアマビエの練り切りを自分で作れるキット(648円)の販売している。岡澤社長は「練り切りをきっかけに家族で和菓子の魅力や職人の技術に触れてもらい、自粛期間を少しでも楽しんでくれれれば。アマビエの御利益で新型コロナが早期に終息し、県内の和菓子業界が盛り上がることを願っています」と期待を込めた。
アマビエの練り切りを販売している店舗と1個当たりの価格は以下の通り。
【徳島市】
澤鹿文明堂 1個270円 ※大量注文の場合は要予約
「たまや菓子店」1個220円 ※前日までの予約がオススメ
【北島町】
「昭月堂本店」1個230円 ※予約販売のみ
【鳴門市】
「長栄堂菓舗」1個253円 ※大量注文の際は要予約
「菓舗ふくおか」1個270円 ※予約販売のみ
【阿南市】

「お菓子処 もみじや」1個248円 ※予約購入がおすすめ
【美馬市】

「川田光栄堂」1個259円 ※予約購入がおすすめ