イシマササユリの個体数を調べる伊島中生=阿南市の伊島

 阿南市の離島・伊島に自生する希少植物イシマササユリの個体数が、3年連続で増加している。伊島中学生らが2004年に生育調査を始めて以降、14年に最少の約1500本だった個体数は15年から増加に転じ、今年は約2700本を確認。島民らと地道に取り組んできた下草刈りなどによる生育環境の改善や乱獲防止の啓発が実を結びつつある。

 調査は、伊島中をはじめ、老人会や婦人会の会員ら30~50人が開花時期の6月ごろに北東部の観音や北部の弁天、東部の笹谷、南部のカベヘラの4カ所で実施している。

 6月の調査では、花やつぼみを付けた個体は999本、茎と葉だけは1698本。総数は2697本で、16年を370本上回った。弁天地区では2倍以上に増え、観音地区は約1割減っていた。

 伊島中によると、09年の3716本をピークに減り始め、14年には半分以下の1564本まで落ち込んだ。しかし、15年は1745本、16年も2327本を確認し、回復傾向にある。

 伊島中は1951年から、イシマササユリの保護に取り組んできた。しかし、島民が燃料にしていたまき用の雑木を切らなくなったために生育環境が変化したことに加え、球根ごと持ち帰る島外者の乱獲などで個体数は減り続けた。

 2004年からは生育調査を始め、日当たりを良くするため島民と共に下草刈りや雑木の伐採などに一層力を入れた。さらに乱獲防止を呼び掛ける手作りのポスターを連絡船などに張って啓発してきた。

 島の町会長の神野範雄さん(68)は「ササユリは種から花が咲くまで6年ほどかかるといわれる。地道な取り組みが徐々に結果に表れ始めたのかもしれない」と話す。

 伊島中生徒会長の斎藤仁也さん(14)=3年=は「今年の調査では全体的に増えたが減った場所もある。先輩たちが守ってきた島の宝を残していけるよう頑張りたい」と意気込んだ。