1日告示された板野町長選は無投票で現職の玉井孝治氏が当選し、3週続けて行われた県内市町村の首長選は松茂、美波両町と合わせて全て無投票になった。2016年度以降でみると、これまでに実施された10市町の首長選のうち無投票は8市町に上る。選挙戦になった2市もそれぞれの選挙で過去最低の投票率だった。なり手不足と住民の政治離れが深刻化している。

 16年度以降行われた首長選の状況は≪別表≫の通り。選挙戦は、新人同士が争った17年4月の阿波市と、現職に新人が挑んだ同7月の三好市のみだった。両市とも、それぞれの選挙で最低だった投票率を大きく下回った。

 無投票だった8市町は連続が多く、連続回数は上勝町が県内最多の6回に達し、松茂町は4回、美馬市、美波町、つるぎ町は3回。選挙が長年行われてない状態が続いている。

 背景には、議会のオール与党化や市町村合併、厳しい財政事情、地域の活力低下などがあるとみられる。多くの議員が早々に現職を支持し対抗馬擁立の機運が生まれないほか、合併で面積が広がって集票力が求められることや、限られた予算や人口減少などで思うような施策展開が難しいことが立候補への意欲を遠ざけていると考えられる。

 根底には住民の政治への無関心があり、無投票がさらに拍車を掛けている。

 こうした結果、現職が当選回数を重ねるケースが目立つ。無投票だった8市町のうち吉野川市の川真田哲哉氏とつるぎ町の兼西茂氏は4選、美波町の影治信良氏と板野町の玉井氏は3選を果たし多選化の傾向も生んでいる。

 四国4県で比べると、徳島県内の無投票の多さが際立っている。16年度以降の市町村長選を比較すると、香川は2回のうち1回が無投票で割合は50・0%、愛媛は16回のうち7回、高知は13回のうち5回が無投票で、割合は43・7%、38・4%となっている。徳島の無投票の割合80%は突出している。

 鳴門教育大大学院の山本準教授(社会学)は「地域の将来像について意見を交わす場である選挙が無投票になるのは望ましくない。行政や議会には住民の関心を高める責任があり、最も身近な自治体の政治について考える住民側の努力も欠かせない」と指摘している。