国際大会で活躍できる選手を育てる徳島県教委の「トップアスリート発掘・育成プログラム」事業で、本年度の新規認定者を選ぶ2次審査(5、6日)が四国中学総体(2、3、5、6日)と重なり、複数の生徒が審査への参加を辞退していたことが3日までに分かった。県教委は辞退者への再試験を実施しない方針で、保護者らから不満の声が上がっている。

 県教委によると、審査は小学4年生と中学1年生が対象。事業は2014年度に始まり、16年度までに68人が選ばれている。認定者は3年間、県教委が開く競技体験会でカヌーや自転車など競技人口が比較的少ない種目に挑戦し適性を探る。

 本年度は小学生94人と中学生23人の応募があり、7月の書類審査で小学生は35人、応募が少なかった中学生は全員が通過。このうち中学生3人が、四国総体と日程が重なったことを理由に2次の体力審査を辞退した。

 断念した生徒の保護者は「多くの生徒が参加できる日程にすべきだ。競技力向上に真剣に取り組む気があるのか」と批判する。

 四国中学総体との日程重複による辞退者は毎年出ている。県教委体育学校安全課は「年間10回程度開く競技体験会との兼ね合いもあり、このような日程になっている。来年度以降は、より多くの生徒が参加できる日程となるよう検討したい」としている。