ブルーシートで覆われ、使えないままの押しボタン

押しボタンが点字ブロックから離れた場所に設置されている

仙台市泉区役所付近

 「仙台市泉区の交差点の信号機で、目の不自由な人向けに設置された押しボタンが、ブルーシートで覆われずっと使えないようになっている。どうして?」との疑問が河北新報(仙台市)の「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。取材すると、押しボタンと点字ブロックが離れていて危険だとの理由で、1年以上使用を見合わせていることが分かった。

 疑問が寄せられた信号は泉区役所北側の交差点。近くにある市障害者総合支援センターを利用する目の不自由な人が横断歩道を渡るため、県警は2019年2月、信号機の柱などにタッチセンサー付き押しボタン8個を設置した。センサーが反応すると信号が優先的に切り替わり、「信号が青になりました」との音声も流れる仕組みだという。

 県警交通規制課によると設置して程なく、視覚障害者団体から「押しボタンの場所が点字ブロックから離れていて、かえって危ない」との指摘があった。

 現地を確認すると、点字ブロックの端から3メートル近く離れているボタンもある。ボタンを押すには点字ブロックから外れて歩かなくてはならず、押した後にどちらへ移動していいのか迷う恐れも大きい。

 指摘を受け、県警は押しボタン使用を当面見合わせることを決めた。交差点には以前から鳥の鳴き声をまねた音で目の不自由な人を誘導する装置があり、押しボタンが使えなくても支障はないと判断し、ブルーシートで覆ったという。

 再び使えるようにするには、設置場所を動かすか点字ブロックを増やす必要がある。一方で県警は、別の仕組みで視覚障害者が安心して横断できる方法を検討してきた。交通規制課は「今月中にも新しい機能を導入し、安全性の向上を図りたい」と説明する。

 封印された押しボタンは取り外し、別の交差点での活用を考えるという。

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